こころとからだに自然の力 ~血圧サージ~

2月、今年の冬は暖冬といわれておりますが、それでも一年で最も寒さが厳しい時期です。 「ヒトは血管と共に老いる」といわれています。 動脈硬化とは動脈の老化です。 動脈はもともと弾力がある血管ですが、老化すると血管壁が硬く厚くなり、血管の通り道が狭くなり、詰まったり破れたりします。 血管の老化を直接測る健診の項目はありませんが、 最近、血管の老化を表す指標として血圧から求められる 「平均血圧」 と 「脉圧」 が注目されています。 血管は20~30mmの太い大動脈から小さい動脈へと枝分かれしてだんだん細くなり、末梢の毛細血管では7μmほどになります。 この細い血管には常に一定量の血液がゆったり流れていて一定の圧力がかかっています。 これが 「平均血圧」 です。 加齢により毛細血管の老化が進むと 「平均血圧」 が上がってきます。 また、心臓が血液を送り出すときに加わる圧力が 「脉圧」 です。 「脉圧」 は ・送り出す血液量が多くなるか ・太い血管が硬くなるか のどちらかで大きく変わりますが、 心臓が送り出す血液量は成人では変わらないため、太い血管の老化を表します。 血管の老化は細い血管から太い血管へと進行していきます。 平均血圧 が高くなったら、 動脈硬化 の始まり、 脉圧 が大きくなると 危険 です。 後ほど 「平均血圧」 と 「脉圧」 の計算方法を載せますので、計算なさってみてください。 上がった血圧を降圧剤で一時的に下げることはできますが、それでは根本的な改善にはつながりません。 まずは高血圧を予防、改善するよう生活習慣を変えていくことが大切です。 今月の漢方教室 ある日突然、脳の血管が破裂 血圧サージ(高波) 2015年1月、Iさん(39)は、夕食後にお酒を飲んでいた時、体に突然の異変を感じた。 「ガッと眠気が襲ってきて、どうもおかしいと思い横になり、1時間半くらい寝て起きたら、もう足がもつれて動かない」 妻が救急車を呼び、病院に運ばれる途中、 Iさんは意識を失った。 脳の血管が破裂し、大量に出血した 脳卒中 だった。 4日目の深夜、 Iさんは意識を取り戻したが、後遺症で右手の握力は3分の1に落ち、 建設作業員の仕事は辞めざるを得なかった。 一般に 脳卒中 は、高血圧や高血糖...