こころ身体に自然の力〜 暑さを乗り切る「胃腸」の養生〜

七月、今年もジメジメとむし暑い季節がやってきました。
体が重だるかったり、節々が動かしづらかったり、べとつく汗、なんといっても寝ても寝ても眠い、一日中眠い、、、。なんとか乗り切りたいものです。
銀座店のスタッフの河原さんがこの時期に紫蘇ジュースを作り、一年を通して飲んでいますということで、今年は私も紫蘇ジュースを作ってみました。

紫蘇ジュースは紫蘇の葉、砂糖、お酢でできます。
クエン酸やレモン汁などを使うレシピもあります。

紫蘇葉には、気を行き渡らせウツウツとした気分を発散する作用があります。
また、悪心嘔吐にもよく、魚介類の中毒にも有効です。
砂糖はこの時期には補中益気といって、お腹を元気にしてくれるので、ほどよい甘みは有効です。
酢やレモンなどの酸味はかき過ぎた汗を収斂してくれます。
汗は水分、ミネラルだけではなく、元気の気も流してしまい、気陰両虚になってしまいます。

東洋医学では「酸感化陰」といって、酸っぱくて甘いものは陰液を補う作用があるといわれています。
この時期に甘酸っぱい物を摂ると元気がでます。
この紫蘇ジュースを水や炭酸水などで割って飲むのですが、私は夏冷え対策も兼ねてお湯割りにして飲んでいます。
さわやかな紫蘇の香りと甘酸っぱさで、胃腸だけでなく気分もすっきりいたします。

梅雨から夏にかけてのむし暑い季節は、特に胃腸の不調を感じやすい時期です。
夏バテなどで体調を崩さないためにも、この時期から胃腸を健やかに整えて元気に夏を過ごしましょう。

今月の漢方教室

暑さを乗り切る胃腸の養生

◯「湿」と「冷え」が胃腸の不調を引き起こす

東洋医学では、夏は暑邪が体内に侵入しやすくなる季節です。暑邪は燃えるように熱いという性質を持ち、同時に湿邪を伴うことが特徴です。

梅雨から夏に感じることの多い胃腸の不調は、主に湿邪が原因となっています。
五臓でいう脾(消化吸収をコントロールする臓器)には「湿を嫌い、燥を好む」という性質があります。
水分の摂りすぎや湿邪の侵入により、体内に湿(余分な水分)がたまると胃腸の働きが低下し、食欲不振や下痢、吐き気、胃もたれなどの症状が現れます。

また冷たいものの摂りすぎは、胃を冷やすため脾の機能を低下させるので、水分代謝が滞り体内に湿がたまる原因になります。
たくさん汗をかく夏はしっかり水分補給することが大切ですが、冷たい飲み物はなるべく控え、胃腸に負担をかけないよう心がけましょう。

胃腸は食べ物を消化吸収して栄養を全身に行き渡らせるという、健康を保つうえでとても重要な役割を担っています。
五行学説では「脾は肺を育てる」関係にあるため、夏に胃腸を養生することで、秋に現れやすい不調(皮膚や髪の乾燥、空咳など)を予防することにもつながります。


暑さを元気に乗り切り、秋を健やかに過ごすためにも、本格的な夏を迎える今からしっかり胃腸の養生をしておきましょう。

◯タイプ別・胃腸の養生

◆食事の摂り方が招く不調
①湿の溜まりやすい食生活に注意
冷たいものや生ものを必要以上に摂ると、胃腸の働きが弱まり、体内に余分な水分である「湿」が停滞してしまいます。
夏場は食卓に刺身や冷奴、サラダ、そうめん、そばなど冷たい料理が並ぶことも少なくありません。
食事中に冷たいお茶やビールなどを飲むと、胃腸はますます冷えて弱ってしまいます。
冷たいものはなるべく控えめに、そして冷奴など冷たい料理には、胃腸の調子を整える、生姜やねぎ、紫蘇などの薬味を加え、体内に湿を溜めない工夫をしましょう。
②栄養豊富な食事もかえって負担に
食欲の落ちやすい夏には、食欲を促進する激辛や味の濃い料理を選びがちですが、胃腸には大きな負担がかかります。お祭りや暑気払いなどで外食する時も、できるだけあっさり味を選び、胃腸の疲れからくる夏バテを防ぎましょう。
日本のお米を中心とした和食は、日本の季節にあった最適の食養生法です。栄養価が高い欧米風の食事は、消化に負担がかかるため、かえって胃腸の働きを弱める原因ともなります。
胃腸の不調が現れやすい夏こそ、食事の重要性を考えたいものですね。

《主な症状》
胃のむかつき・吐き気・胃の膨満感・げっぷやガスが多い・軟便下痢・舌の苔が多い

《食養生》
胃腸の働きを整える食材やたまった湿を取り除くお茶など。
・梅干し・小豆・鯵・サンザシ・カルダモン・はと麦・麦芽・おこげ・パイナップル・ササヘルス・焙じハトムギ茶・コーン茶・プーアル茶・生姜入りの紅茶など

《おススメ漢方》
人参湯・建理湯・扶陽理中・玄武温陽など

◆胃腸虚弱からくる不調 慢性的な胃腸の虚弱が身体全体に影響
もともと胃腸の働きが弱い人にとって、夏はいつも以上に疲れやすくツライ季節です。
東洋医学では「脾胃(消化器)は後天(こうてん)の本(ほん)」といい、胃腸が飲食物を消化吸収することにより、生命を支える気血を生むと考えます。
胃腸の働きが弱いと、他の臓器の働きにも影響し、全身の不調や体力不足、免疫力の低下にもつながります。夏からの胃腸虚弱により、秋から冬にかけては風邪をひきやすくなることも。
日頃から胃腸の働きを良い状態に保つように心がけましょう。

《主な症状》
食欲不振・慢性的な胃腸の不調・全身の疲労感・息切れ・痩せ気味・風邪をひきやすい・めまい・貧血・顔色が黄色い・舌の色が淡い

《食養生》
弱った胃腸を健やかに整え、体力を補う食材を。
・白米・いんげん豆・枝豆・大豆食品・山芋・栗・豚肉・鶏肉・太刀魚・うなぎ・とうもろこし・玄米茶・蜂蜜入り焙じハトムギ茶やハス茶

《おススメ漢方》
補中益気湯・六君子湯・香砂六君子湯・参苓白朮散・帰脾湯・加味帰脾湯・人参養栄湯・十全大補湯・鹿茸大補湯・貴禄宝・活性型オイスターなど

◯夏を乗り切る暮らしの食養生

  • 胃腸を冷やさないよう、夏でも温かい料理や飲み物を摂るようにしましょう。
  • 冷房で冷えるこの時期こそ、一日の終わりは湯船につかってのんびり。冷えた身体が温まり、血行促進にも効果的です。「薬湯」や「マグマオンセン」がおススメです。
  • 効果的に栄養補給できる天然のアミノ酸製薬のビイレバーキングのお湯割りはお腹の中から温まり胃腸を元気にしてくれて、夏バテ予防に最適です。




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