こころと身体に自然の力〜急増している「糖尿病」〜

六月、あじさいの花が雨にぬれてきれいに咲く季節となりました。

湿度が高くなりますと、体が重だるく感じる方も多いと思いますが、妙に疲れやすくなったり、食べているのに痩せてきたりした場合には、糖尿病の疑いがあります。



糖尿病は「血糖値が正常よりも高い状態が長く続く疾患」ですが、初期のうちはほとんど何も症状がなく、ごく普通の健康な人と変わりなく見えます。
糖尿病がサイレントキラーといわれる理由です。

一般的に糖尿病の体からの合図として、次のような症状が挙げられます。

  • 無性にのどが渇くようになった
  • 多尿、頻尿、夜尿
  • 異常に汗をかく
  • 甘い物を好んで食べる
  • 多く食べているのに疲れやすく、痩せてきてだるい
  • 皮膚がかゆくなる
  • 手足の先がしびれたり、目がかすむ
こうした症状が現れた場合は、糖尿病が進行している可能性があります。
早急に病院での検査をお奨めします。



空腹時の血糖値が110未満は正常で安心ですが、110から125の場合は、糖尿病予備群で要注意です。126以上の場合は糖尿病域で赤信号になります。
またグリコヘモグロビンAlcは、過去3ヶ月間の血糖値を反映する検査項目で、6未満なら正常ですが、6以上の場合は要注意、9以上の場合は危険な値といえます。

糖尿病はそのまま放置しておきますと、手遅れになって全身の血管や細胞が障害されて恐ろしい合併症を引き起こします。
治療法はインスリンの働きを良くして、高い血糖値を正常な範囲にコントロールすることが第一です。

今月の漢方教室

急増している糖尿病

糖尿病を患う人が急激に増えています。
日本人には糖尿病になりやすい体質の人が多かったり、食生活をはじめとする生活習慣の変化が背景にあります。血糖値が高すぎるとさまざまな合併症を引き起こすのが、糖尿病の怖いところです。毎日の生活から予防を心がけましょう。

◇糖尿病って?

糖尿病は、インスリンの分泌や作用が低下して、ブドウ糖を体内に十分に取り込むことができなくなって起こる病気です。
健康な場合は通常、口から入ったご飯やパンなどの炭水化物は胃や小腸で消化され、ブドウ糖として血管内に吸収されます。
そして、ブドウ糖は血液によって肝臓に運ばれ、血糖値が上昇するわけですが、血糖が過剰にならないよう、膵臓からインスリンが分泌されます。
このインスリンの作用によって体内にブドウ糖が取り込まれ、消費されたり蓄積されたりするのです。

インスリンの分泌のタイミングが遅かったり、分泌量が不十分だと血糖値がなかなか下がりません。
また、インスリンのさようが 低下すると筋肉や脂肪組織に血糖を取り込みにくくなり、やはり血糖値が下がらなくなります。

このように血糖値が異常に高い状態が続くのが糖尿病なのです。

◇肥満は糖尿病を引き起こす?

糖尿病を引き起こしやすい生活習慣とは、脂肪の摂りすぎや運動不足などです。
その結果として起こる肥満は、インスリンの作用を低下させるため、糖尿病のリスク要因のひとつです。

食生活では、動物性脂肪の摂りすぎや食べすぎなどによる内蔵脂肪の蓄積が、インスリンの分泌や作用を低下させます。1日の食事の回数が1~2回だったり、夜おそくに食事をとるなどの不規則な食生活も肥満につながるので要注意です。

さらにカロリー過多の生活に、運動不足が重なると肥満を招きます。

◇進行するまで症状がほとんど現れない合併症

糖尿病を放っておくと高血糖によって血管が傷つけられ、全身にさまざまな合併症が起こります。
早期は自覚症状がほとんどなく、症状が現れた時には、合併症がすでに進行していることが多いため、日々の生活に注意を払ってみてください。

三大合併症といわれる「糖尿病神経障害」や「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は悪化するすると壊疽や失明、腎不全などにつながることがあります。
これらは高血糖を治療しなければ、糖尿病の発症後5~10年程度で現れ始めるといわれています。

また、太い血管に動脈硬化が起こることで、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞を引き起こすこともありますので、深刻なケースに陥る前に早期に予防・発見・治療が重要です。

◇バランスの良い食事と血糖値を下げる運動

糖尿病の治療の基本は食事と運動です。
糖尿病が疑われる人、または糖尿病を防ぐためにもバランスの良い食事、1日3食を規則正しく食べること、ウォーキングなどの有酸素運動を日頃から心がけましょう。





《食事をとる時のポイント》*栄養バランスを良くする
動物性脂肪を控える。ご飯や魚、肉、野菜、海藻などをバランスよく食べる。

*1日3食を規則正しくとる朝食や昼食を抜いて夕食にたくさん食べると血糖値が急上昇するので避ける。

*食物繊維を多くとる腸の中で糖質が吸収されるスピードを遅らせ、血糖値の急激な上昇を防ぐ。
そばやドライプルーン、納豆、ひじき、わかめ、切り干し大根などがおススメ。

*甘いものを控える甘いものは血糖値を上げやすく、カロリーも高い。
とる場合は、1日の食事バランスの中で調整してとるようにする。

《効果的な運動法》

*ウォーキングなどの有酸素運動を行う。
*1日30分以上、1週間に3回以上行うと効果的。
*食事の1~2時間後に行う。
このほか、エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を利用する、買い物などには車を使わず、徒歩や自転車で行くようにするなど、日常生活の中で積極的に体を動かす工夫も大切です。

◇「食べてはいけない」ものはない、そして量を少しだけ控えて

血糖値が高くなる要因には、遺伝的なものに加え食べすぎ、飲みすぎによる肥満、運動不足、ストレスなどがあります。
血糖値を下げる食事では、「食べてはいけない」食品は基本的にはありません。
いろいろなものをバランスよく、そして量を少しだけ控えれば良いのです。
ご飯のおかわりをやめたり、これまで食べていた量よりも1~2割ほど減らす工夫を心がけましょう。

血糖値の上昇を防ぐには、食物繊維のほかにも、インスリンの働きを良くするマグネシウムが摂れるナッツ類、大豆食品や、やはり血糖値をコントロールするインスリンの成分として必要不可欠な亜鉛を牡蠣や牛肉、豚レバー、ナッツ類、きな粉などから摂ることができます。

糖尿病があっても治療を受けていない人は少なくありません。
糖尿病の怖いところは、そのまま放置しておくとあとで合併症などの深刻な事態を引き起こす可能性があることです。

食事療法や運動療法に難しいことはありませんので、毎日の生活を振り返り、血糖値を下げる工夫を取り入れてみましょう。


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食事療法や運動療法で血糖値がコントロールしにくい場合は、是非ご相談ください。

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