イキイキ長生き!認知症の予防と対応

年々進む高齢化社会の中で、介護の制度や施設は徐々に充実してきました。
とはいえ、老後もできるだけ自分の力で生活を維持できることが理想です。

特に「認知症」は本人にとっても家族にとっても大きな負担になり、誰もが避けたいと思うのではないでしょうか。

最近、中高年以降の物忘れに効果があるとして、各メーカーが遠志エキスの製剤を相次いで発売しています。
確かに遠志エキスには安神益知といって精神を安定させ、健忘症を改善する作用がありますが、遠志は温燥であるため、陰虚火旺・心経実熱・痰熱などには禁忌とされており、高血圧の方やのぼせやすい方などは注意が必要です。
服用に際しては、必ず専門家に相談なさってください。

認知症という病名は、東洋医学にはないものですが、「健忘症」「鬱症」「不眠症」「呆症(判断力・思考力の低下)」など、認知障害として考え、予防・対応することができます。
西洋医学では大きく、「脳血管性認知症(脳血流の低下)」と「アルツハイマー型認知症(脳の萎縮)」に分けられますが、瘀血や腎虚といった原因から考えても、それぞれ活血(血行改善)、補腎の方法で予防・対応することが可能です。

◎認知症の予防方法をタイプ別にチェック

東洋医学の考えでは、認知症は4つのタイプに分けられます。それぞれ症状には特徴があり、効果的な予防方法も異なります。

※血液ドロドロ「瘀血」タイプ
(西洋医学の脳血管性認知症にあたるタイプ)

高血圧や動脈硬化などが気になる人は要注意
年齢を重ねると血液に粘りが出るため、血流が滞り瘀血を生じやすくなります。瘀血は脳への血流をさまたげ、それが健忘や痴呆といった症状を引き起こす原因となります。

主な症状

物忘れや頭痛、疼痛、手足のしびれ、顔色の黒ずみ、舌や唇の色が紫がかったくすんだ色になる、高血圧、動脈硬化、狭心症、高脂血症、脳血管障害などのほか、手術歴や大きな外傷歴のある人などは注意が必要です。

食の養生

黒いものや青魚、辛味のあるものを意識して摂るようにしましょう。
昆布・わかめ・くろず・黒きくらげ・黒豆・しいたけ・いわし・さんま・鯵・らっきょ・玉ねぎ

おすすめの漢方薬

冠心逐瘀丹・冠脉通塞丸・循環元・感応丸・長城清心丸・牛黄清心丸

※老化が進む「腎虚」タイプ
(西洋医学のアルツハイマー型認知症にあたるタイプ)

さまざまな老化現象は腎虚が原因に「老化の進み方の差は、腎虚の進み方の差」と東洋医学では考えられています。
腎の機能が低下すると、骨や歯がもろくなる、排尿がうまくいかないといったさまざまな老化現象が現れます。認知症もその一つ。
認知症に限らず、老化現象を予防するためには、腎を養う「補腎」、精を増やす「益精」が大切。

主な症状

健忘、腰痛、めまい、聴力の減退、脱毛、歯が弱い、夜間の頻尿など

食の養生

きのこ類・くるみ・黒ゴマ・うなぎ・すっぽん・枸杞の実・煮こごり

おすすめの漢方薬

鹿茸大補湯・長城甦腎宝錠

※エネルギー不足の「脾気虚」タイプ

食欲や体力が落ちたなと感じたら気をつけて
脾胃は「気血」を生む源で身体に栄養を運び、その栄養から血が生れます。そのため、脾胃が弱くなると全身の気血が不足し、五臓六腑はもちろん、脳の機能も低下してしまうのです。
胃が弱い人や慢性疾患や老化などで体力が落ちている人などはこのタイプの認知症に注意が必要。

主な症状

食欲不振、少食、食べても太れない、息切れ、疲労感、不眠、健忘、記憶力の低下など

食の養生

甘味のあるもの、補う効果のあるものを中心に食材を選びましょう。
栗・米・麦・いんげん豆・山芋・人参・りんご・豆腐・湯葉・大豆食品

おすすめの漢方薬

帰脾湯・加味帰脾湯・人参養栄湯

※ストレスが多い「肝鬱」タイプ

イライラやストレスは認知症の悪化につながります
肝は新陳代謝をコントロールする大切な臓器。
この機能がうまく働いていると全身にキレイな気がいきわたり脳の働きも活発になります。
肝鬱タイプはストレスで肝の機能が減退し、気の流れが滞ることが原因。また気滞の状態が長く続くと瘀血に繋がることもあります。老化への不安がストレスになるケースも多く見られますが、老化は誰にでも訪れるもの。あまり神経質にならず、上手につきあっていきましょう。

主な症状

情緒の不安定、憂鬱、イライラ、胸脇脹滿、不眠、悪夢、集中力の低下

食の養生

香りの良いものなどでストレスを発散し、気の流れをスムーズに。
紫蘇・みょうが・セリ・春菊・セロリ・菊花・レモン・みかん

おすすめの漢方薬

四逆散・逍遥散・小紫胡湯・加味逍遥散・大紫胡湯・感応丸

◎高齢化社会の強い味方 プラズマローゲン

脳細胞はストレスを受けると酸化し、いずれ死滅してしまいますが、それを食い止めるのがプラズマローゲンです。
脳細胞の身代わりになって酸化を引き受けることで、脳細胞を守ります。

ストレスが多ければ多いほど、消費されるため、脳内のプラズマローゲンが少ないと、脳疲労に陥りやすくなるのです。
プラズマローゲンには次の3つの作用があるとわかりました。


  • 脳の海馬における神経細胞の新生作用
  • 学習記憶力の向上
  • 脳のダメージ抑制作用


進行性の疾患である認知症は、発症してから年月が経つほど症状が重くなっていきます。プラズマローゲンをとった人では、明らかに認知症の症状が和らぎ、本来送っていた生活に少しずつでも戻っているという結果が出ています。

このことで介護する人の負担も減り、生活の質の向上につながります。
タイプに関わらず効果が期待できます。また、プラズマローゲンはうつ病やストレス性適応障害など心の病域の予防にも役立ちます。

夜中に目が覚めたり、朝早く目覚める、寝付きが悪い、体を使わないのにヘトヘトだ、希望が持てない、イライラする、気持ちが沈んで暗い、考えがまとまらない、不安だ、などがある場合、脳が疲労している可能性があります。
上記のような症状を感じて居る方は、ぜひ一度当店にご相談ください。

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