その症状、ほんとに風邪? 見逃さないで!肺炎のサイン

肺炎は、罹患率も死亡率も非常に高い疾患です。 日本では、年間に180万人が肺炎を患い、10万人以上が亡くなっています。 今回は、肺炎と風邪の違いやどんな症状が起こるのかなど、肺炎について学んでいきましょう。 Q1 どんな症状が現れるの? A1 感染症と肺の疾患の両方の症状が出てきます。 肺炎は「肺」の「感染症」であるため、当然その両方にかかわる症状がみられます。 まず感染症としての共通の症状では、もっとも多い発熱をはじめ、悪寒、倦怠感、食欲不振、頭痛、関節痛、筋肉痛などがみられます。 また肺の疾患としての特徴的な症状である咳や痰、膿性痰、胸痛、呼吸困難などもみられます。 熱が高ければ、通常の風邪でも頻脈や頻呼吸はみられるものですが、それが異常に速い場合は、肺の広範囲が冒され、重症になっている可能性があります。 Q2 風邪との見分け方は? A2 強い全身症状と肺疾患特有の局所症状 普通の風邪では全身症状はそれほど強く出ません。熱も高くないし、倦怠感も通常そう強くありません。 局所的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咽頭痛、軽い咳、痰などに限られます。 それに比べ肺炎の場合は、全身症状、つまり発熱や食欲不振、倦怠感などが大変強く出ます。 肺炎というのは、死に至ることもある重篤な病気ですから、全身症状も局所症状も強い傾向があります。 局所症状としては、肺の疾患特有である咳や膿性痰などが多いのが特徴です。 高熱でひどくだるい、ゴンゴンと強い咳が出る、粘りのある痰が多いなどの場合は、早めに医療機関を受診してください。 またインフルエンザでは、肺炎と同じように熱も高くなり全身症状も出ますが、肺炎と違って咳や痰などの局所症状はあまりみられません。 インフルエンザで咳や痰が出てきたという場合には、肺炎を合併してきている可能性がありますので早めにレントゲンを撮ってもらいましょう。 Q3 肺炎にかかりやすい人って? A3 高齢者や持病のある人など、免疫力の弱い人 肺炎は病原微生物と人の抵抗力との勝負。ですから肺炎になりやすいのは、抵抗力の弱い人です。 まず挙げられるのは、体そのものが弱い人。 全体的に体が弱っている高齢者や、抵抗力ができる前の小さい子ども、あるいは糖尿病や肝臓病、腎臓病などの持病を持っている人、そして...